阿部定事件は、その事件内容の壮絶さがいつの間にか純粋な愛の物語へと
変遷しているという珍しい事件で、さらに約30年ほど前には、同じ事件を
題材にして、大島渚監督が「愛のコリーダ」という題名で映画化していて
こちらは全編ハードコア(実際にセックスをして撮影)で撮影されたため
映画の内容以外の部分でも話題になりましたし、海外(特にフランス)で
多くの人が知っていると思いますが、簡単に阿部定事件をまとめてみると
元々は芸者や娼婦などをしていた阿部定は、東京の鰻屋の女中として働き
その店の主人と不倫関係になります。
最初は密かに外で落ち合い、普通のセックスをする関係でしたが、次第に
体を噛んだり、首を絞めたりする快感に嵌まっていき、あの愛の流刑地の
主題歌とは逆になりますが、自分を殺してくれと言われた定は愛人である
店主を絞殺し、ペニスとタマタマ(局部)を切り取って、自分の着物の中
に大切にしまいこみ、包丁で愛人の体に愛人と自分の名前を刻み付けて、
失楽園とか、愛の流刑地のテーマと繋がりがあると言うか、よく似た設定
の部分があり他の心中物のドラマや小説でも、阿部定事件の影響を感じる
ことがあります。(心中で首を絞める設定は多いですよね。)
最終的には出所後に消息不明になっているというのも、神秘的というか、
コトの真相が本人から語られていないというような部分があるので、代々
語り継がれているのかも知れないですね。
持って歩いていた愛人のペニスを時々、口に含んだり、性器に押し当てて
いつまでも愛人を感じていたかった、という「女心」が純愛として評価を
されていますが、ペニスを切り取った理由を聞かれた時には、葬儀の際に
本妻が愛人のペニスを触れる事に抵抗があったので持ち歩いていたという
ことも言っているようなので、嫉妬の感情が強かったのかも知れませんし
本音の部分は、やはり本人にしか分からないと思います。
ちなみに、愛のコリーダが海外で受けた理由の一つとして、日本人女性の
女性器は横に割れているという伝説?と、浮世絵の影響から日本人男性の
ペニスはとても大きいという認識が海外ではあるので、ハードコアの映像
同じ人間なんですから、割れ目が横になっているわけないでしょ?と私は
思いますが、欧米人が東洋人を見る目は、その程度だということのようで
藤竜也さんのペニスが、海外の人々にとってどのような見方をされたのか
という部分については聞いたことがありませんが、浮世絵のように大きな
ペニスを想像していた外国の人々は、どのように感じたのでしょうね。
ちょっと気になる話ではあります。












